週末

 夜もこんな時間。オフィスで机に向かい、黙々と作業を続ける。いま任されているのは、売上額を3ランクに分けて、ランクごとにその営業所名を蛍光ペンでマーキングしていくこと。やたら縮小された表がA4で7枚(もっと大きく印刷しやがれ)。
 こんな単調な作業をやっていると、心がささくれ立ってくるわけ。なんでこんなことを人間が手でやらなきゃならないの、ほかにもっと簡単な方法があるじゃんって。少なくともこの表は表計算ソフトで作ってるんだからさ、関数かなんかでパッと色つけてしまえばそれで済むじゃん。あたしはやり方知らないけど。なんかマンパワー割いて手でチマチマやる作業じゃないよね。理不尽。非人道的。

 

 帰り際にさ、これやっておいてもらえるかな、じゃないわよ。
 土曜日、特にすることもないんだろ? って勝手に決めつけんじゃないわよ。
 まだみんなには黙っているけどね、私にだって、この歳でやっと彼氏ができたの。黙っているから言えなかったけどさ、今日は彼の誕生日なの。これから彼の家に行って驚かそうと思っていたの。二人っきりで過ごしたかったの。全部、台無しじゃない。

 

 なんかもうどうでもいいことにまで腹が立ってきた。第一ね、なんで蛍光ペンって大概ピンクと黄色と緑なのよ。三原色的には緑じゃなくて水色のほうが合ってるじゃないのよ。光の三原色はマゼンタ、シアン、イエローって習わなかったの? 何よ、緑って。緑を入れるならほかは赤と青。色の三原色にするの。そうじゃなきゃなんかおかしいじゃない! よし、終わった!

 

 頼まれたものもできたし、これで仕事モードの私、終了。お怒りモードの私も、終了。さあ、帰ろう。
 ちょっと汗臭いな。このまま行っても嫌われないかな。着替えとかどうしよう。明日休みだから平気かなぁ。どうかなぁ。角の洋菓子屋さん、まだやってるかな? 彼にケーキ買っていってあげようかな。喜んでくれるかな。

 

We shall be happy.

 

 

お題;「誕生日」「蛍光」「方法」

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