出し損ねたラブレター
きみのその笑顔が好きなんだ。
きみのとっても丸い顔(怒らないでね)が、もっともっと丸く見えるような、その笑顔が僕は大好きなんだ。きっと時々難しい顔や怒った顔をしていたこともあったんだろうけど、ぼくは笑顔しか思い出せない。それはとっても大切で、それはとっても幸せなことだったんだ。
ぼくたちの学校は、直線で100m走のトラックが取れるくらい広くて、40人入る教室が30近くあって、二階建ての体育館があって、こんなにも広い空間だけれども、でもそんなことはぼくには何も関係なくて。休み時間や放課後、きみと話をしているときはきみのその丸い笑顔(だから怒らないで)しか見えていなかったんだよ。それは本当に幸せなことだったんだ。
でもね、ぼくがきみへの感情に気付くには、ぼくは幼すぎたんだ。恋、って言葉がよくわかっていなかったんだ。あって当然のものだ、と思ってしまっていたんだ。そして、無くなってから、大切なものに気付く。気付いて堪えようのない悲しみに襲われるんだ。
だから、もう遅いのかもしれないけれど、言わないと後悔すると思うから。
よかったらぼくの隣にいて、僕に笑いかけてくれませんか。
これからも、ずっと。
ぼくは、きみちゃんが大好きです。
お題:「空間」「顔」「丸」