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レストラン


その1

「それでは、これと、これ。あと、このサラダを」
「……どちらのサラダでございましょう」
「だから、この、……れサラダを」
「恐れ入ります、もう一度仰ってくださいますか」
「……気まぐれ、サラダを」
「もう一度、大きな声ではっきりと!」
「シェフの! 気まぐれサラダ!!」
「シェフの気まぐれサラダですね!!」
「……なんでこんな恥かしい名前のサラダしかないんだよ」

 


その2

「ご注文は」
「ああ、ペペロンチーノを2人前。一つは唐辛子を抜いてほしいんだが」
「……はい?」
「私の連れは辛いのが苦手でね、だからペペロンチーノの唐辛子を抜いてほしいんだ」
「失礼ですが、お客様」
「なんだね?」
「ペペロンチーノから唐辛子を抜いてしまったら、それはもうペペロンチーノと呼べません。そのようなものをお客様にお出しすることはできませんので、悪しからずご了承ください」
「いや、ただ唐辛子を抜いてくれるだけでいいんだが」
「それはもう、ペペロンチーノではございませんので」
「いや、名前はどうでもいいんだ、唐辛子を抜いてくれ」
「恐れ入りますが、それではお客様にお出しすることができません。なぜならそれはペペロンチーノではございませんから」
「じゃあ、”唐辛子を抜いたペペロンチーノ”を出してくれないか」
「それは出来かねます、お客様」
「なぜだね」
「”ペペロンチーノ”と呼ぶことができないからでございます」
「もういい、ほかの店に行く」

 

ほぼ実話。