手紙

前略

 もう随分とお姿を見かけておりませんが、大事なくされてましょうか。

 思えば、新宿で働き始めた、というお話をちらと伺ってから随分と日が経ったように思えます。日が燦燦と降り注ぐ日中であっても、どこかに影を抱えているようなあの街はどこかあなたに似ていて、きっとあの街に同化してしまいもう見つけることも叶わないのでしょう。

 私はあなたが文章を書く姿勢に感銘を受けて、色々なものを書き記すようになりました。もちろんあなたの書く、自らの身を削るような、それでいて繊細で儚いものには到底及ぶことはないのですが。

 そして今この企画を始めてみて、毎日何かを書く、ということの難しさというか辛さが身に染みています。一年間通して何かを書くということが如何に大変であったか、ひょっとしたらそのようなことは微塵も思っていなかったのかもしれませんが。

 またいつか、そう、気が向いたときにでも、ものを書く人として顕現され、願わくは新たな世界を提示いただければ幸いです。いつまでも、お待ちしております。

 

 あなたの健康と、ますますの発展をお祈りしております。

 

ふっとさん 拝

 

 

 

新宿