惰性で死なない

なぜか、いままで生きている

何となく流されて仕事を失い

次の仕事は心を病んで戦線離脱

なんとか落ち着いて次を見つけたけど

内容も理解せずにあてがわれる仕事と

上がることの無い給金

次の現場が見つかるまで無給で待機

借りていたわずかな金を返すため

無給で払えぬ間は金を借りて支払いに充てる

絵に描いたような自転車操業

借りた金は膨らんでいく

 

死んでしまいたい

何度も思う

それでも死んでいない

 

理由なんて単純だ

痛いのが嫌だ

苦しいのが嫌だ

 

だから何となく生きて

何となく仕事に行って

現場が変わる度に慣れない仕事をして

ヒイヒイ言いながら自転車を漕ぐ

それを繰り返す

 

ある日、覚めない夢を見るか

はたまた夢なぞ見ないか

そんなのであればいいなと思う

 

でも痛いのだろうな

でも苦しいのだろうな

 

それでもここまで生きてきて

たったひとつの救いは

たった一つのあり得ない夢を叶えたこと

それはもう、墓場まで持っていこう