信仰の始まりというものは

ラスベガスからの帰り、荒野の上空を飛ぶ飛行機。

見たいものと驚きの充足感と、

嫌な日常に戻る憂鬱さを抱え、その飛行機の中にいる。

そのとき

 窓の外を眺めた時に見えた、機影を囲む虹。

 ブロッケン現象、単なる科学的現象、

 科学的現象だと分かっているけれども。

 

信号待ち。

思い通りにならない苛立ちを抱えて

持ち帰りのピザ二枚を持って見上げる空。

どんよりと黒く垂れこめる雲。

冷たく、湿気を含んだ強い風。

顔を上げ、見上げた先に

 ぽっかりと空いた雲間から見える青空。

 実った麦のように、黄金色に輝く雲の縁。

 地に射す光、ヤコブの梯子。

 

人が神を信じる、なんてのは

こんな時なのかもしれない。

きっと理屈ではないのだ。

 

だがすまない、

もう少しの間、距離を置かせてくれ。