2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

またも雑談

さてもまた、音楽なんぞ聴きながら雑談をしようかと思う。本日は、私のカラオケでの十八番が題材になるので、まあそんなつもりで読んでください。 今かかっているのが、四人囃子の「空と雲」。間奏が長いのだけれども、この曲が好きでよく歌わせてもらってい…

浩文

その男が訪ねてきたのは、一週間前のことだった。 男はこんな田舎の集落では珍しく、濃い鼠色の背広に身を包んでいる。こちらに、浩文、というものがいるはずだが、と尋ねてきた。 いや我が家に浩文という名前のものはいない、お訪ね先を間違っているのでは…

もしもロックが嫌いなら

失敗した。 この間の見合いは、断る気満々だった。だったんだが、お相手を一目見てときめいた。俺には不釣り合いなほどの清楚な女性。でもまあ、まさかの目は無いな。だから、ここぞとばかり色々話を盛った。 ”読書はどのようなものを?” ”ええ、志賀直哉や…

波止場の決闘

「いいか、お互い恨みっこなしだ」「勿論だ。生き残った方がシマをすべて貰う」「ああ、あの世で泣き言いうんじゃねぇぞ」「こっちの台詞だ、マヌケ」 この二人のボスは、古式ゆかしい決闘に、この島の利権を委ねることにした。 島の西側を治める、でっぷり…

要石の祟り

村の肝煎、金五郎が鎮守様の要石を動かした。 鎮守様の要石だけは触れちゃなんねぇ、祟りがあんぞ、って 村のものは言い合ったけんども そったら迷信、俺ぁ信じねえっていって ご神木の二ツ杉の根元まで動かした そら、何にも起きねかったべぇ、と、金五郎は…